
6月22(日)女子栄養大学坂戸キャンパスにて、令和7年度香友会ホームカミングデーが対面とオンラインとの併用で開催されました。午後の講演会は女子栄養大学教授の加藤久典先生を講師に迎え「テーラーメイドの栄養学から精密栄養学へ」をご講演いただきました。当日はキャンパス内施設のオープン、菓子工房「プランタン」の出店、昼食は松伯軒の手作り弁当もあり、本校らしいホームカミングデーとなりました。
令和7年度女子栄養大学 香友会定例会員総会
令和7年度女子栄養大学香友会定例会員総会(出席者・有効委任状含め(1,205名で成立)は、6月22日(日)10時15分より坂戸キャンパス6503教室において、対面とオンライン併用で開催されました。関東地方は気温が上がり猛烈な暑さになりましたが、会場には多くの会員が出席しました。






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特別講演会
令和7年度定例会員総会に続き、午後のプログラムではホームカミングデー特別講演会を開催しました。本学教授の加藤久典先生を講師にお招きし、最新の知見として「テーラーメイド栄養学から精密栄養学へ」をテーマにご講演いただきました。

加藤久典 先生
女子栄養大学教授(栄養生化学研究室)

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会長メッセージ

「多様性・異質性への尊重をこころに持って」
女子栄養大学香友会
会長 磯田 厚子(学部昭和47年卒業、院昭和49年修了)
夏の酷暑が影を潜め、秋というよりいきなり晩秋の趣の日々を迎えています。
我が家の猫の額ほどの庭では、例年なら、梅雨の頃に伸びた草を7月8月には刈っていましたが、今年は余りの暑さで熱中症を懸念して伸び放題となっていました。やっと先日、何とか刈り取り、4つにもなったごみ袋を昨日回収に出したところです。ふと見るとお隣りも伸びきったサルスベリの枝を短く切っていました。
草はあっという間に伸びるもので、ついつい邪魔にしますが、植物学の牧野富太郎博士が「雑草という草はない」として「どんな草にもちゃんと名前がある」言われたということを思い出します。昭和天皇も、雑草を刈ったと報告した侍従に「どんな植物もみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考えでこれを雑草ときめつけてしまうのはいけない」とおっしゃったそうです。ふと、学園創立者 香川綾先生の「雑用という仕事はない」という言葉が思い浮かびます。
草については、在職中に新入生キャンプを引率した時に野草山菜を楽しんだ思い出があります。もちろん全ての草が食べられるわけではないですが、食品学専門で山歩き経験豊富な教員に教えられ、かなり多種類の野生の草が食べられることに驚きました。独特な香りや苦みがとてもおいしいことにも感嘆しました。
以前駐在していた東南アジアの内陸国であるラオスでも、山がちで経済的に厳しい暮らしの中で、人々は野草山菜を田んぼの畔や近くの山林などから季節季節に収穫してきて、食事に彩を添えていました。いわゆる野菜類の栽培は種を購入しなければないため、貧困世帯では限られた作物以外はほぼ作っていませんので、ビタミンやミネラル類の補給にもなっていたと思います。村人と一緒に森を歩くと、木の葉や芽、草、タケノコやキノコでカゴ一杯になります。昼食に、ちょっと酸っぱいスープや香高いお浸しなどにしていただきます。自然との共存、環境保全の必要性を痛感しました。
「雑草」のことを思っていると、こういった国々から日本に来ている人々のことを考えます。来日の理由は様々であり、一所くたにまとめて扱うことはできないはずです。観光で来るだけなら、私たちも様々な国に出かけますので、同じことです。しかし、自分の国にいられない人々もいることを理解しなければなりません。戦乱、政治的迫害、また大きな自然災害などもあります。自国政府が救ってくれないばかりか、迫害側であることもあります。
世界では、こういった異文化の人々や異国民を排斥する傾向が顕著になりつつあります。日本でも、ヘイトスピーチや排斥の主張が増えています。もちろん問題行動や犯罪には厳然とした対処が必要でしょう。具体的な課題(例えば土地取得や民泊等)であれば、その対処策を講ずべきです。しかし、食物やエネルギーなどの自給率の低さはじめ、私たち自身が他国との関係なしには生活できない現代において、他国への敬意と尊重を持つべきだと思うのです。日本人の習慣や行動も、異文化から見ると困惑されることもあります。まして困難を抱えている人々への思いやりや支援などは排斥するものではないと思います。多様性や異質性への理解や寛容さのある社会でありたいと思っています。
ふとまた、練馬区立牧野記念庭園に行こうかなと思いました。牧野博士の邸宅跡地にある小規模ながら多種類の樹木や草花がある植物園で、都会の中にあって心休まる場所です。
令和7~8年度香友会 新役員メッセージ
**香友会副会長就任に寄せて**

共に香友会の活性化のために
三好 恵子〔みよし けいこ〕副会長
(学部昭和51年卒業、女子栄養大学名誉教授)
若い会員の参加が、香友会の活性化には欠かせませんが、なかには香友会との関わりについて実感が持てないという方がいらっしゃるように思います。入学された学生・生徒の皆さんは学生会員となるわけですが、そのことを十分に理解していただいていない面もあるようです。香友会の会員は、学んだ学校・学科・専攻は異なっていても、学園の建学の精神・教育理念のもとに学び、社会活動をされている方、および在学在校生です。香友会の活動の目的の「会員相互の連携を図り親睦を深める。学園との交流を深めてその発展に寄与する。生涯学習事業及び地域社会に開かれた事業を推進する。」は、年齢やキャリアを超えてすべての会員の皆様の拠り所になるものと思います。香友会活動のリアルを知っていただき参加していただくことが、会員の皆様にも意義あるものと思います。私は今期で副会長2期目になりますが、香友会の活性化のために何ができるかを考え、会員の皆様とともに歩んでまいりたいと思います。
同窓会の力で学園を盛り立てたいとの願いを持って
柳澤 幸江〔やなぎさわ ゆきえ〕 副会長
(学部昭和58年卒業、院修士昭和60年博士平成4年修了、和洋女子大学教授)
今年度から副会長に就任いたしました、和洋女子大学の柳澤幸江と申します。来年度2026年の大学共学スタートの年に、再度母校に戻ります。私立の中規模の女子大学に長年勤務し大学運営に関わってていると、同窓会の力がいかに大学の力の土台になるかを実感します。
折角、全国規模の同窓会を誇る香友会ですので、学園もまた全国区の学園でいられるために、同窓会ができることに、微力ながら尽力できればと思っています。
人生100年時代の今こそ、それぞれの立場、それぞれの地域でご活躍されている卒業生に、少しでも貢献できる同窓会の活動は何なのかを、高齢者の域に入る大学時代の仲間や、若い現役学生との関わりの中から、何かヒントを見つけられればと思います。
大学人として外から学園を見てきた者としての感性を活かしながら、また学生・院生・研究生として10年間どっぷり在籍して培った学びと愛校心を大切にして、磯田会長・三好副会長、役員の皆さまと楽しく仕事をしていきたいと願っています。どうぞよろしくお願い致します。

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**香友会監事就任に寄せて**

見出し
島村 幸代〔しまむら ゆきよ〕監事
(学部昭和55年卒業・女子栄養大学実習特任講師、城西大学非常勤講師)
埼玉県立特別支援学校坂戸ろう学園の栄養教諭として任用替えとなったのは55歳でした。初任者研修や寄宿舎を含む一日3食の献立作成を必死で行った5年間。母校との繋がりから地域にご縁が出来た事を感謝しています。
栄養士、栄養教諭を養成する立場となり「コミュニケーション能力や情報発信力を身につけよう!」と学生に話しています。日本栄養大学へと生まれ変わる時期に監事として関われる事を光栄に思い、学園や香友会埼玉支部の活動に取り組みます。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
3期目の監事就任にあたって
堀端 薫〔ほりばた かおり〕監事
(学部昭和63年卒業)
この度、監事を仰せつかりました、女子栄養大学の堀端です。今期で3期目の監事となりました。よろしくお願いいたします。香友会は、皆様もご存じの通り、卒業生の会です。卒業生の皆様のご協力なくしては成立していかなくなります。ぜひ、皆様のご協力をお願いいたします。また、皆様からの年会費で運営されている会になります。監事としては、大切なお預かりした年会費が適切に使用されているかを確認しております。現在、年会費の収入が減少し、実施したい事業を行うことが難しい状況になってきております。香友会今期の役員は、令和7年度から8年度となります。女子栄養大学から日本栄養大学になり、共学化が始まります。それに伴って、女子栄養大学香友会から香川栄養学園香友会への名称も変更され、新たな出発をいたします。改めて、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

令和7年度香友会名誉会員メッセージ
令和7年度定例総会にて名誉会員に承認された福田加代子さん(栄養士科昭和51年卒業)からメッセージをいただきました。
「絆」を大切に
私は女子栄養大学を定年退職後、住いが近いこともあり、香友会幹事長として8年間事務局のお手伝いをさせていただきました。今は実家の石川県金沢市に戻っております。
石川県は令和6年1月1日能登半島地震、同年9月奥能登豪雨と1年間に2度の大きな災害に遭遇しました。復興はまだまだのようですが、テレビや新聞で能登に関する報道を見聞きすると、[絆]という言葉がよく使われています。「絆」は人と人との深い結びつきを意味する言葉だそうです。被災地でのインタビュー等では「能登の地で生まれ育った絆を大切にし、復興に向けて頑張っていきたい」との声が多く聞かれます。
私達は香川栄養学園を卒業した同窓生としての[絆]を大切にし、これからも学園と共に歩んでいけたらと思っています。
令和7年度 「香友会全国支部長会」開催
令和7年度「香友会全国支部長会」が6月21日(日)に女子栄養大学坂戸キャンパス12号館12201教室において開催されました。今年度も、対面とオンラインを併用しておこない、出席者は対面38名、オンライン17名で、学生7名と研究室実験実習助手1名の参加もありました。活動報告の後のグループ討議では、今後さらに支部会員の交流を進め、若い会員に参加してもらう活動作りを進めていきたい、と支部長の強い思いを伺いました。夕食懇親会では談笑の輪が広がり和やかなひと時を過ごしました。




活躍する卒業生~~北から南から~
卒業生は全国各地や海外にまで広がり、それぞれの地で、母校で学んだ専門知識や技術をもとに、家庭や社会活動においてその実践と啓蒙に努めています。今回は秋田と沖縄から卒業生の声が届きました。

○○○(タイトル後送)○○○
長嶋 智子(学部平成3年卒業)
女子栄養大学を卒業後、病院勤務を経て、聖霊女子短期大学(栄養士養成施 設)に 22 年間勤務しました。また、教員として後進の育成と両立させながら、教育学部、医学部の大学院で研鑽を積み、栄養学、教育学、そして医学的観点から人々の健康を総合的に捉える多角的な視点を確立しました。直近で は、女子栄養大学香川雅春教授に約 2 年間にわたりご指導を賜っており、学術的な裏付けを重視した研究と実践に取り組んでいます。 短期大学では学生とともにスポーツ栄養に関する実践研究を重ね、その知見を培いました。この知見に基づき、これまで多様な競技種目で部活動の栄養サ ポートに携わり、引き続き、野球、ラグビー、バスケットボールなどでアスリート育成に向けた体づくり・食実践の指導を継続しています。 現在は城東スポーツ整形クリニックに勤務し、主に外来・入院患者様の栄養 指導を担当しています。2015 年に取得した「日本スポーツ協会公認スポーツ栄 養士」としての専門性を活かし、学校、地域、行政の各種事業に参画し、講 演・研修の講師なども務めています。
スポーツ栄養でより元気に!
宇佐美 佳奈子(学部平成17年卒業)
「スポーツ栄養士になる!」と女子栄養大学の門をくぐり、2013年に「公認スポーツ栄養士」を取得しました。秋田県のような地方でも関東の選手と同じ知識を得て実践し、競技力を向上すること、またスポーツ選手はもちろん、多くの人にスポーツ栄養を知ってもらうことを目指して活動してきました。初めはこちらからはたらきかけることが多かったのですが、ここ数年はお声がけ頂くことが多くなり、スポーツ栄養に対する意識が変わってきたと実感しています。
現在は委託給食会社に所属しながら、秋田県スポーツ科学センターでの指導や栄養士養成短期大学で非常勤講師としてスポーツ栄養学を担当しています。また秋田県栄養士会の事業でフレイル予防や食育、働き盛り世代等への講演、特定保健指導などを行う中で、スポーツ栄養の知識を活用することも多くあります。そして様々な人と関わる中で気づかされることも多く、教科書では学べないたくさんのことを得られていると感じています。 スポーツ栄養は元気な人をより元気にする分野です。これからもスポーツ選手はもちろん、より多くの人を元気にできるよう私自身、努力していきたいと思います。


栄養教諭として歩み始めて
吉浜 せいか(学部平成21年卒業)
高校3年生の春、新聞で目にした「スポーツ栄養」の記事をきっかけに栄養士の道を志し、女子栄養大学に進学しました。大学時代は決して優等生ではありませんでしたが、友人や研究室の先生方に支えられ、多くを学んだ4年間でした。
平成23年に沖縄県の学校栄養職員として採用され、離島へき地校や共同調理場での勤務を経験し、今年度より栄養教諭へ任用替えとなり、現在は270食の県立中学校に勤務しています。
初任者研修で、栄養教諭制度が当初「教員免許所有者が講習で得る追加資格」として検討された際、審議会座長を務められた香川芳子先生が「教育の根幹にある食を単なる知識伝達で終わらせてはならない」と提言され、専門性を持つ栄養士に教員資格を与える方向で制度化が進められたと伺いました。今こうして栄養教諭として働けていることに深く感謝しています。
私が大切にしているのは「食の楽しさ」を共有することです。健康教育はすぐに成果が見えにくいものですが、望ましい食習慣は楽しくなければ続きません。学校給食を食育の生きた教材として活用し、生徒が給食を楽しみ、食への関心を広げられるよう努めています。
卒業後は香友会沖縄県支部にも参加し、先日は琉球料理の調理実習に臨みました。琉球料理宗匠の安次富名誉支部長をはじめ会員の琉球料理伝承人の先生方から直接指導を受ける機会に恵まれ、日々の業務にも活かされています。香友会を通じて、栄養士としての学びをさらに深められることに感謝しています。
香友会からのお知らせ
◆香友会ホームページをご覧ください
香友会ホームページは、香友会行事や香友会主催講座のお知らせ、香友会支部活動のご案内や報告、卒業生からのおたよりなどを随時更新しています。
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◆住所、氏名などの変更をお知らせください
学園誌「香窓」や会報「香友会通信」(6 月発行)は、全国の香友会会員(卒業生)に送付されます。
確実にお手元に届くよう、住所・氏名などに変更があった際は、香友会ホームページ専用フォームまたは香友会事務局宛てにお知らせください。
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◆おいしくて栄養豊富な山形県産の「胚芽精米」を販売しています
学園創立者香川綾先生が長年にわたり普及に努められた「胚芽精米」をどうぞご賞味ください。
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皆様からお寄せいただいた「わかば募金」は香友会わかば奨学金制度の運営、香友会館施設・設備の充実に充当させていただいています。ご協力くださいますようお願い申し上げます。
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