【大学院TOPIC】「グローバル×実践栄養学」の展開
「国際栄養学特論」にJessica Fanzo 米国コロンビア大学教授 登壇! 女子栄養大学大学院修士課程 栄養学専攻の授業に「国際栄養学特論」があります。 担当は、西田千鶴客員教授です。西田先生は、30年以上にわたり、国際保健機関(World Health Organization: WHO)の栄養専門官として、Food-based dietary guidelines(FBDG)の策定や、ナトリウム(食塩)など各種栄養素のガイドラインの策定を直接担当されてきた方です。本学大学院で博士(栄養学)を取得されています。 () 西田先生は、WHOでの長年のキャリアを活かし、「国際栄養学特論」の中で、世界トップレベルの研究者によるレクチャーを取り入れています。今年は、『食卓から地球を変える:あなたと未来をつなぐフードシステム』(日本評論社 2022)の著者として日本でも著名なコロンビア大学のJessica Fanzo教授による講義「Optimizing food system and nutrition in a warming world」が行われました。本学大学院生に加え、共同研究をしているお茶の水女子大学や大阪大学、また西田先生が非常勤講師を務める高崎健康福祉大学の大学院生、先生方も参加されました。 Fanzo教授は、「食料システム(食物の生産から、加工、流通、消費までの一連のシステム)は、温暖化などの気候変動により大きな影響を受けており、結果として人々の栄養状態・健康にも影響が及んでいるが、気候変動と人々の栄養状態を改善していく鍵もまた、食料システムにある」と力説されました。また「この地球規模の課題解決に向けて、栄養の専門家は、食料システムのすべての段階のステークホルダーと協力することが可能であり、関与していく責任がある」とお話されました。 Everyone has a role to […]
【大学TOPIC】就職活動の早期化、多様化に対応し、より良い結果と学生の満足を追求(坂戸就職課)
2024年度学部就職状況―進路意識の高さが高い就職希望率、決定率につながる 社会全体のアフターコロナへの転換が進む中で、企業の採用意欲も高まりを見せています。そうした背景から、有効求人倍率についても上方トレンドとなり、学生優位の状況が定着しつつあります。 学部全体として、2024年度(5月1日時点)は、卒業者510名のうち477名が就職を希望(就職希望率93.5%)し、うち476名が就職決定(決定率99.8%)と高い割合を維持しています。学生の進路意識の高さが就職希望率、決定率の高さにつながっています。 卒業時に実施している就職先満足度調査においても90%近くの学生から「満足」との回答も得ているのが特徴です。 各学科の状況としては、以下及び図をご覧ください。 ■実践栄養学科・就職者のうち、58.1%が管理栄養士・栄養士として就職決定。・一番多かったのが受託給食会社の40%、次いで病院・クリニックの32%、調剤薬局・ドラッグストアと続く。・資格職の次が総合職20%と大きく、食品技術、食品衛生監視員、事務などと続く。このうちの食品衛生監視員については、公務員として昨年5名、今年4名と続いている。 ■保健栄養学科栄養科学専攻・臨床検査技師、栄養士、家庭科教員で60%、そのほか総合職、食品技術者など、全体の90%近くが学んで来たことを活かした進路選択。 ■保健栄養学科保健養護専攻・養護教諭で80.3%、看護科教諭1.4%が就職。・2024年6月には全員が就職を決め、それぞれの職場で勤務を開始することが出来た。 ■食文化栄養学科・全体として食品関連企業の総合職、営業・販売職での就職が6割。・メーカー、商社、小売、飲食、ホテル、各種サービスなど幅広い食の分野に就職を決めることができ、食文化の特色を活かした結果を残せた。 2025年卒業予定者を取り巻く状況 2025年3月卒業予定者に関する状況は、有効求人倍率は1.75倍とコロナ以前にはまだ及ばないが、学生優位の傾向に戻ってきているといえます。 全体的に企業の採用意欲は高い状況ではありますが、従業員数が少ない中小企業ほど人手不足感が高く、逆に大手企業は充分に採用者を確保出来ているとの結果が出ており人材難の偏りは、企業規模や業界により大きくなっています。 学生の傾向としては、実践栄養学科、栄養科学専攻では、資格職だけでなく、学んだことを活かした食品企業への就職が増えている。大手食品企業などにも積極的に応募し、就職を決定している。保健養護専攻については、従来通り安定的に養護教諭の道に進むものが多く、現在、臨時採用待ちの学生もいる。食文化栄養学科は食関連企業を中心に幅広い分野で就職先を決定しているが、今年については食品メーカーが前年より増える傾向にあるということがいえます。 早期選考はあらゆる業界に広がっており、本学としても、学生の希望に応じた進路に決定できるようサポートしていきます。
【短大部TOPIC】ヘルシーメニュー開発のその先へ
▲中央の集合写真はゼミの皆さん(前列中央が指導教員の小澤准教授) 教職員も「あらかわ満点メニュー」を食す‼ 短期大学部の栄養指導研究室のゼミ活動では、荒川区と区内の飲食店が共同で取り組むヘルシーメニューの開発に取り組んでいます。今年も、区内約50店舗とのコラボで開発したメニューが提供されています。 今回は新企画として、ゼミの指導教員や学生さんとともに、広報部の職員も商店街を訪れ、「あらかわ満点メニュー」を食べてみました。 ■学生たちはステップアップしながら、メニュー開発に取り組みます 学生たちは、ゼミで事前にトレーニングをして、店舗訪問を行い、店主さんの希望やお店の状況を把握しながら、学校に戻って栄養価計算や試作を重ねながら、メニューを完成させていきます。 活動の様子はこちらから>>> ■その街を訪れて、食事を味わう。メニュー開発のその先も大切にしたい 訪問店舗1軒目の「cafe mogii+」は、JR日暮里駅から徒歩10分、生地織物の店が軒を連ねる繊維街を通り抜けたところにあります。国産蕎麦粉100%のガレット&発酵デリの小さくて可愛いカフェです。スペシャルガレット(チリコンカン)は「素材をいかしたナチュラルなおいしさ」で男性職員にも「ちょうど良い」量。チリコンカンの発酵ワンプレートは減塩メニューと聞かされないとわからないくらい「味と見た目の調和のとれた一品」でした。 訪問店舗2軒目は「ハンバーグレストランまつもと」。千代田線・京成本線の町田駅を出てすぐのところにあります。国産牛100%使用で7種類のソースから選べる、こだわり抜いたハンバーグが自慢のお店です。ヘルシーメニューもハンバーグセットで、提供は夜(17:00~22:00)の時間帯です。 今回は、ゼミの学生お二人(越石さんと栗原さん)も参加。運ばれてきた時点でおいしそうな香りに魅了され、食べて味に魅了される一品。「とにかくおいしい」。とろろがまろやかさを生み出し「ハンバーグともソースとも相性抜群」。サラダや付け合わせなどセット全体て約230gの野菜が食べられて「ほんとうに嬉しい」。しょうがたっぷりのソースで「最後の一口までおいしく味わえる」一品でした。 学生さんも先生も職員も皆、食べ物好き。話題が尽きることがなく、「みんなで食べるとおいしい‼」を実感したひとときでした。 ゼミの皆さんは、1月末までに数店舗の試食訪問をし、試食訪問後に全員でディスカッションをする予定です。小澤先生は、毎年新規メニューを提供するすべての店舗に足を運び、開発メニューの味を確認しています。 今回初めて、広報部の職員も店舗を訪れ、食事を一緒に味わいました。開発したメニューとともに、商店街や店舗の様子を知ることのできる楽しさも体験できました。 開発されたメニューは、お客さまに、この店を訪れて、実際に食べていただくことで、生きたメニューになります。卒業生や教職員の皆さんにも、ぜひ店舗を訪れて食べて、ヘルシーメニューを通した街づくりを応援していただけたらと思います。 ★店舗とメニューは荒川区HPで公開中 >>>
【専門学校TOPIC】現場を大切にする実習だから、社会とつながる
香川調理製菓専門学校では、校内にある実践教育のための営業店舗でお客さまを目の前に行う臨場感ある臨地実習や、外部講師の先生方による一流の技を間近で見て学べる迫力ある実習が、魅力です。 校内に設置してあるレストランやパティスリーで実践力を磨く 松柏軒でのレストラン実習が、10月からスタート。2日間にわたる実習は、1日目に仕込み2日目に仕上げをして、お客様に提供します。日本料理、西洋料理、中華料理のグループに分かれて行います。西洋料理のメインは鶏肉の香草パン粉焼き。フードプロッセッサーを使ってパン粉にパセリとニンニクを混ぜています。どの工程も生徒たちが行っています。 プランタンでは、生徒が企画から製造・販売までを担当する臨地実習が行われ、毎月、その季節のフルーツを使ったスイーツが店頭に並びます。地域の方々も楽しみにご来店くださります。11月29日は、fleur de pomme(りんごの花)と名付けられた、紅茶とりんごのロールケーキが作製・販売されました。りんごでバラを咲かせ、中にもたっぷりのりんごが入っています。 豪快で繊細な一流の技を、目の当たりに学ぶ 8月は、日本料理の特別講師として「日本料理よし邑」の冨澤浩一先生をお招きしました。マグロの作どり、アワビや伊勢海老などの豪華な食材を使った見事なお刺身の盛り合わせを実演いただきました。 9月は、「ジェイ・ワークス株式会社 BEL AMER」の小杉和之エグゼクティブシェフによるチョコレートの実演が行われ、初めてテンパリングに挑戦しました。温度を調節しながら安定した結晶にする“テンパリング”の工程を行うことで口どけの良い、艶やかなチョコレートを作ることができます。 10月には、洋菓子の世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」で、優勝・準優勝した卒業生お二方によるコラボレーション授業が実現しました。アメ細工を究める小熊亮平シェフ(2019年世界大会で準優勝)とチョコレート細工を究める柴田勇作シェフ(2023年世界大会で優勝)のお二人で、ピエスモンテを組み上げていく様子は圧巻で、生徒たちの記憶に残る授業になりました。 現場を大切にする専門学校の実習は、社会とのつながりの中で、第一線で活躍するプロの方々から地域の方々まで、たくさんの方々のお力に支えられています。生徒たちは、緊張感をもって、また敬意や感謝の気持ちをもって、日々技術を磨き、感性や熱意を育んでいきます。
新たな学びを展開 2025年4月「保健栄養科学専攻」を「栄養イノベーション専攻」へ名称変更
2025年4月、保健栄養学科栄養科学専攻は、保健栄養学科栄養イノベーション専攻へと名称を変更します。 人々の生活や社会が大きく変わる中で、食や健康を取り巻く分野でも栄養や運動のバランスをチェックするアプリ、食材や料理を手軽に買えるオンラインサービス、食物アレルギー対応商品やメニュー開発・情報発信など次々と新しい価値が生み出されています。 この度の名称変更は、そうした変化に対応するために教育内容を見直し、本来栄養科学専攻が強みとしていた栄養士養成を礎としながら、発展的な学びを行うためのものです。 栄養イノベーション専攻の新たな「学びのカタチ」「学びのスガタ」 現在、本学のホームページにおいて、「栄養イノベション専攻」についてお知らせするページを公開しており、そちらをご覧いただくと、新たな「学びのカタチ」がおわかりいただけると思います。 そして、同ホームページの「ヨクシル―JOURNAL KAGAWA」の中で、栄養イノベーション専攻の学びに関する話題を掲載し、それに関わる先生方のコメントを紹介しています。 その話題、コメントをお読みいただくことで、新たな「学びのスガタ」が浮かび上がり、お読みいただいた方の興味・関心を広げる「学びのセカイ」をご覧いただけるはずです。 以下にその一覧をお示ししますので、ぜひ、ご覧ください。
栄養学を自分らしく掘り下げる 2024年12月「食文化栄養学実習」発表会開催
食文化栄養学科では、食を中心として、国際理解、調理技術、メニュー提案、映像、写真、デザイン、地域振興、市場調査など幅広い分野を学んでいます。4年間の学びの中で特徴的なものが「食文化栄養学実習」であり、一人ひとりがより深く学びたいこと、追求したいことをテーマに選び、3年後期から1年半ゼミに所属して進めていきます。その集大成としての発表の場が「食文化栄養学実習発表会」です。 発表会のテーマは「宇宙」 本年度の発表会は、12月7日(土)に実施しました。全体のテーマは「宇宙」です。会自体の準備、運営も学生が行う中で、一つとして同じもののない85テーマの発表が在学生、保護者のみなさま、教職員ほか、多くの参加者の前で行われました。 要旨集での実行委員会の「あとがきにかえて」には、「今年度の食文化栄養学実習発表会のテーマは『宇宙』です。私たちは 3年前、食文化栄養学科に入学し、『食』について幅広く学んできました。そんな広い食の世界で見つけた個性という星を将来活かしていきたいという思いを込めました。コロナ禍で受験・入学を経て、やっと気軽に過ごせる日常が来ました。今後も私たちは予期せぬ困難が来ても、全て思い出に変えることができる“食の旅”を続けていきます。(後略)」との言葉が記されています。 主体的な学びとしての「食文化栄養学実習」 学生にとっての「食文化栄養学実習」とは、どういうものなのでしょうか。 【食企業商品部のお仕事記録ー1年半で学んだ商品開発の実施】をテーマに発表した深山さんは、「夢である商品開発にかかわる貴重な経験でした。困難もありましたが、周囲の支えもあり乗り越えました。実習を通じて社会で必要なスキルを身につけることができ、自信を持って次のステップに進めそうだと感じています」と語ってくれました。 また、【東京都神津島村の魅力を発信】をテーマにした羽瀬川さんは、「食文化栄養学実習は、食についてさまざまな視点から覗けるチャンスだと感じています。自分の研究はもちろんですが、仲間の研究をそばで見守ったり、発表を通じて新しい発見をしたり、こんなチャンスは今後ないのではないでしょうか」との思いを伝えてくれました。 発表を聞いてくださったみなさまには、そうした学生の思い、食文化栄養学科での学びの広がりがおわかりいただけたのではないでしょうか。
未来のパティシエが推す、菓子工房「プランタン」のスイーツはこれ‼
本学園のお菓子屋さんとして親しまれてきた菓子工房「プランタン」。もうすぐ創業70周年を迎えます。創業以来、旬の食材と良い素材を使用して真面目にお菓子作りに取り組んできた伝統があります。 そんな「プランタン」の数あるスイーツのナンバーワンは何なのかを探るべく、今回、未来のパティシエをめざす製菓科の生徒82名にアンケート調査を行いました。 1位フィナンシェ、2位岩シュー&シュークリーム、3位マカロンの結果に その結果は、焼き菓子のフィナンシェ、生菓子の岩シュー、シュークリームがダントツのワンツーで、以下マカロン、フロランタンとなりました。1位となったフィナンシェを推すコメントには、「しっとり」「ふわとろ」「香ばしい」といった言葉があふれ、2位の岩シュー、シュークリーム、3位のマカロンでは、味、食感に対する「おいしい!」のコメントのほか「クリームがたっぷり」「大きくてうれしい」といった生徒ならではのコメントもありました。 この結果について、「プランタン」の責任者であり、専門学校の教員でもある川内唯之先生は、 との言葉を寄せてくれました。 実際にアンケートの回答には、「生徒がつくったケーキ」というものがありました。理由は「ここでしか食べられない」もので、「可愛くて美味しかった!」です。 「プランタン」には、春夏秋冬の四季の感覚を大切にした品々が常時40種ほど並んでいます。 川内先生はじめ、店舗のスタッフは、「皆さんに、安全で美味しいお菓子を食べていただきたいとの願いを持ちながら、生徒に対しても、卒業しても「プランタン」のお菓子が食べたいなと思い出してくれるようなお菓子屋さんでありたい」との思いを込め、商品を作り続けています。 ぜひ、お越しいただき、ご賞味ください。 菓子工房プランタンのご案内はこちら